日立製作所から「Webユーザビリティを評価するツールを開発 」というプレスリリースが出ています。基本的には、ユーザーテスト実施スキルを持つ専任担当者がいない組織でも、ユーザーテストを内部で気軽に実行できることを狙った支援ツール、という位置づけになりそうです。テスト後にユーザー行動ログを起こすのはかなりの重労働ですので、専任担当者がいる場合でも、テスト業務全体の工数削減に寄与することが期待されます。
ところでユーザーテストを実施するにあたっては、実施担当者のスキル獲得と、テストユーザー集めが難関と思われている節があります。その意味でこの種の支援ツールにはそれなりの需要がありそうですが、本当のユーザーテストの難しさは、実は以下の3点にあるのではないでしょうか。
つまりテストそのものの実施よりも、タスク設定や結果解析→改善案構築という始めと終わりの部分にこそ難しさがあるのでは?ということです。
したがって、この種の支援ツールを導入しただけでは、組織の内部リソースのみでWebサイトの評価・改善案を策定するという目的を達成できない可能性が高いのではないかと考えられます。ツール導入の際には、ツールを必要とする業務の全体像と、その中でツールが担当できる部分/できない部分を事前に明確にする必要があるでしょう。
「そんなこと当たり前だろ」と思われる方も多いでしょうが、わかっているようで実はわかってないケースの方が多かったりするとかしないとか。