旧聞になりますが、「3ペイン型ウィンドウはユーザーインターフェイスの終着駅?」という記事が複数のところで取り上げられていたので、当研究所もコメントをしたいと思います。

そもそも3ペイン型電子メールソフトって、本当に使いやすいのですか?
当研究所はMacintosh環境でEudora Proを利用しているのですが、検証の関係でWinows版Microsoft Outlook Expressを起動すると、あまりの使いにくさに愕然とします。3ペイン型のウィンドウを採用している電子メールソフトは、「WindowsのMDI(複数文書インターフェース)アプリケーションのウィンドウ内で、メールフォルダとフォルダ内メール一覧、メール表示の3つの画面をどう配置するか」という妥協の産物にしか思えません。

そもそも、この3つの要素が要求する画面の形状を考えてみると、

  1. メールフォルダ:縦長の画面の方が一覧性が良いので望ましい(現状OK)。
  2. メール一覧:差出人と表題くらいは読めないと不都合なので、ある程度横の長さも求められる。だが、メールの一覧性を向上させるためには、ある程度の縦の長さが求められる(現状NG → 3とのトレードオフ)。
  3. メール表示:行長が長いと読みにくいこともあり、行長はほどほどにして改行を入れているメールが多い。横長であるよりも、縦長であることに必然性がある(現状NG → 2とのトレードオフ)。

このことから考えても、現状のウィンドウ配置がユーザーの要求を満たしているとは思えません。ユーザーによるカスタマイズの余地を考えても、現状の3ペイン型には問題があることは明らかで、こんなインターフェースが終着駅であるはずがありません。

そもそもMDIアプリはウィンドウを最大化して使うことを念頭に置いているのに背景が透過せず、デスクトップ領域が無駄なことこの上ありません。「文書作成系ではMDIアプリが主流のWindowsにドラッグアンドドロップなんて操作体系を持ち込んでも、うまくいくわけないだろう?」とか言いたいことはいろいろあるのですが、話がどんどん逸れていくので、今回はこの辺で。

最後に補足をしておくと、MicrosoftもMDIをやめてSDI(単一文書インターフェース)に移行しろと言っているようです。賢明な判断かと思いますが、その前にOfficeなどの自社アプリを早く修正してください

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