共同通信社のニュースによると、国土交通省が3D電子地図を作成する方針とのことです(slashdot.jp経由)。地図データといえば、経済産業省はG-XMLを推進しているような話を耳に挟んだことがあるのですが、両者のデータの関係はどんなものになるのでしょうか。くれぐれも省庁のなわばり争いで相互運用性ゼロ、という事態は回避して欲しいものです。
ところで、小規模な組織や個人ベースでは、地図データ(インフォメーショングラフィックスではない、地図そのもの)の作成はかなりの負担となるため、地図を利用したコンテンツ制作は最初から避ける傾向があるように思えます。一般レベルで地図や地形を扱うコンテンツが増えない原因の一端は、この敷居の高さにもあるのではないでしょうか(目のつけどころと運営の巧みさもありますが、借力の「バカ日本地図」などのユーザー参加型地図企画が成功しているのは、本当に例外ケースと言えます)。
ということで、両省(およびその周辺)の思惑はともかく、行政主導で作成した地形データや地図データは、できれば無料公開して欲しいなあと。「金のかかるインフラ部分だけ国にまかせて、成果物は民間が無料利用」というのは、最近の政治にもつながる難しい領域の話になりますが、どうせ作成するのであれば、ねえ。敷居の高さが解消されるならば、これまで考えつかなかったようなアイディア勝負のコンテンツが産まれる余地が広がることは間違いありません。基本となる公開データから出発して、その上で何を構築するのか趣向を凝らして競い合うような世界とも言えそうです。
そういう意味では、HTML文書のオーサリングソフトウェアも同じなんですよね。はっきりした規格がある以上、規格準拠のコードを生成することは当然の前提として、使いやすさなどの付加価値をどう実現するかという面で競い合うことを期待していたのですが . . . 。なんか違う方向に行ってしまったようで、非常に残念です。