gooはファインダビリティを改善できるか

2003年10月10日

ファインダビリティとは「見つけやすさ」のことで、大量の情報から目的の情報を適切に探し出せることを意味します。

素直に「見つけやすさ」という言葉を使わなかったのは、新たなキーワード商売を目論んでいるからではなく(笑)、SEO(サーチエンジン最適化)の実験のためです。あらかじめご了承ください。
なお、ファインダビリティに関しては、AIfIA(アシロマ情報アーキテクチャ研究所)「ファインダビリティ(見つけやすさ)の時代 」もあわせてご覧頂ければと思います。

さて、国産検索エンジンとして長く親しまれて来たgooがGoogleのエンジンを導入するということで、関連する記事やコメントも数多く出てきました。国産の独自エンジンが第一線から消えることを嘆く声も多い一方で、国産の国語解析能力がGoogleの検索パワーと組み合わされることに期待する声も聞こえます(「SEMリサーチ」の記事がよくまとまっています)。

その一方で、フロントエンド側でユーザーが指定した語句を「そのまま」使用しないことに対して、次のような不安の声も出ています。

キーワードの自動修正は余計なお世話のような気がします。もし検索時にGoogleのスペルチェックのような修正候補の提示なしで、意図しないキーワードへの自動置き換えをするのであれば不要な混乱を招くことになりそうです。

blog.hinatabocco.com | gooもGoogle

これはもっともな不安で、確かにこのような処理を行うことで、どうしても検索語の適合範囲は広がってしまい、その結果として無駄ヒットが増えることにもつながりかねません。

ですが、日本語には同じ言葉を指しているにも関わらず、送り仮名や音引き、外来語の表記法、全角英数字と1バイト英数字(いわゆる半角英数字)などで表記のバリエーションが多くなりがちで、それによって検索効率が低下している部分も大きいのです。このサイトでなじみの深い用語では、インターフェースインターフェイスインタフェースといった用語がまさにこの例に当てはまります(この例では、Googleはある程度同じものと見なしてくれているようですが)。

これらの用語はどれが正解ということでもなく、会社や組織などによって固有の使用用語が規定されているのが問題です。つまり、ユーザーはその会社なり組織なりでの用語の使用法など事前にわかるわけがありませんから、ユーザーが想定した情報が存在するにも関わらず、用語表記のブレのために情報を見つけることができないということにつながるのです。

この辺の検索エンジンと検索用語の事前検討によるファインダビリティ(見つけやすさ)の改善については、つい先日第二版が発行された「Web情報アーキテクチャ」でも重要な要素として取り上げられています。興味のある方はこちらも参照してみると良いでしょう。また、(株)ソシオメディアの上野氏によるフォーラム(後述)発表でも、この種の問題を解決することが、Webサイト内の情報アーキテクチャを改善するポイントの1つであると指摘されています。このように、検索エンジンのフロントエンド側での対策は、単に検索エンジンの改善だけに留まらず、Webサイト内(ネットワーク内)の情報の利用効率を改善するために重要な役割を持っているのです。

ところで「Web情報アーキテクチャ」関連の話ですが、著者の一人であるルイス・ローゼンフェルド氏が先日来日され、(株)ソシオメディア主催のフォーラムで講演されました。縁あって聴衆の一人として参加させて頂きましたが、その後の発表やパネルディスカッション、そして交流会(笑)すべてに密度の高いものでした(フォーラムのレポート)。ルイス・ローゼンフェルド氏および発表者の方々、主催された(株)ソシオメディア、そして会場でお会いしたすべての方々に感謝です。

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