CNET Japanに「CE Linuxは松下を変えるか」と題した、興味深いインタビュー記事が掲載されています。ネットワーク時代を迎えて相互接続性が重要と認識しているのは、ユーザーにとっての安心材料となりそうです(でもその一方で、記録メディアという物理デバイス縛りは相変わらず...)。
ただし、以前から気になっている点に関して、「やはり」と落胆させられる部分もありました。
それは、皆同じものになってしまった結果、消費者への希求力がなくなってしまったのです。その原因として考えられることのひとつに、「OSからインターフェースまで、すべてを自社で作らなくてはならなかった」ということがあります。機能を網羅し、ニューモデルを出すので手一杯で、他社製品と差別化するところまではなかなか手が当てられなかった。
これは違うでしょう?
なぜ「皆同じ」になったのかというと、メーカー各社が「差別化のための差別化」という、他社の出方だけを見守るような上辺だけの商品戦略・商品企画ばかりを取っていたからです(これは松下だけの問題ではないと思いますが)。現に同じ商品カテゴリーの製品を並べてみても、どれがどこのメーカーの製品かなんて全然わかりません。
実際に商品を購入しようとしても、特徴に注目した積極的な商品選びをできる場面はすっかり少なくなってしまいました。いまは必要に迫られて購入しなければならない場合でも、消去法による商品選択になってしまうことが多いのです。開発リソースの問題が解決されれば魅力的な商品が増えるのか?と考えると、とてもそうは思えません。メーカーの意識がこの程度では、楽しいお買い物はまだ当分お預けということになりそうです(もちろん、たまには「これは欲しい」と積極的に思えるような商品もありますよ。こんなのとか)。
この辺の問題は、
と指摘されてしまうことと、同じ背景を持つように思えます。しかし、本当にそうしたマスマーケティングの手法だけが正しいのだろうか? すべてのWindows機ベンダーが、"マス"に向けて同じようなパソコンを出していくだけでは、ノートパソコンは今以上に良いものにはなっていかないように思う。
市場におけるプレーヤーは多いはずなのに、商品の本質的なバリエーションが限定されているのはとても不思議です。たまに限定的なヒットが出ると、すぐに模倣してその市場をみんなで食い荒らす。で、食い尽くしたら、また別の場所に大挙して移動していく。これではイナゴの群れと変わりません。メーカー各社は本当に「市場」を作る気があるのでしょうか?(そういう意味では、キーワード商売も同じことですかね)
先週A&Vフェスタ2003を見に行って、いろいろと(自粛)だったので、ちょっと荒れ気味です。ちなみに会場で見た製品で一番気に入ったのは、これです(去年の10月に発表されていたのに、なぜ今まで気付かなかったのか...)。こういった発声処理システムが、読み上げブラウザにも応用できるようになれば良いのですが。