TCシンポジウムの感想とか

2007年10月22日

本格的な業務多忙で沈没しており、来月末まではちょっと身動き取れなさそうです。こちらも放置気味で申し訳ございません。さすがに3ヶ月放置はまずいので、前のエントリでネタを振ったTCシンポジウムの感想などを...(いくら何でも遅過ぎ)。

  • 取説2.0という(一周遅れの2.0...)キーワードを持ってきたんですが、まったくの消化不良でした。Web2.0はそれまでにも語られてきた理想や存在していた要素技術などが、周辺環境の成熟や組み合わせによって一気にブレイクしたものだという印象を個人的に持っていますが、今回のシンポジウムでは「それまでにも語られてきた理想や存在していた要素技術」の話のレベルにまで至っていないように思われます。
  • プログラム的に一番の「押し」だったと思われる二日目のパネルディスカッションを通して聴講しましたが、5〜6年以上前の問題意識や課題をそのまま繰り返しているに過ぎず、正直なところ失望しました。例えば製品開発の上流に食い込む(その1その2、1997年のTCシンポジウムの例→第三者を装ってますが、発表者は私です...)とか、電子マニュアルを外部化して商品と共に成長するようにする(2001年のTCシンポジウム発表)といった辺りのテーマですね。この辺の話もありましたが、今更感が全開でした...。
  • 広義の取扱情報の内部化(UI組込など)や外部化(Webサイト展開など)を中心に、クロスメディア展開によるコミュニケーション構築を模索している現状を取説2.0と定義(これも俺様定義で混乱を増やすだけ...)するのであれば、今回のシンポジウムのプログラムは的外れも良いところです。例えば、パネルディスカッション中に「ライフサイクルの長い白物家電」という重要な視点もあったのですが、このような切り口はまったく出てきませんでした。
  • 結局のところ、各メディアで展開されるマニュアル単体という視点に縛られて、コミュニケーション設計という視点が抜け落ちている、という状態から依然として抜け出せていないなあと。マニュアル制作部門/制作者が目先の問題意識だけで考える材料ならば、(百歩譲って)それで良いのかもしれません。しかしメーカーの問題意識は、マニュアル(というか取扱情報)をコミュニケーションのツールとして効率良く使用するにはどうするか?にあるべきで、同業者間で底の浅い目先の話ばかりを共有して、「そうだね」と納得してもらっては困るのです。
  • なんか毎回こういうことを言ったり書いたりしてるような気がするんですが、全然変わらないですね。まあ視野狭窄はいつものこととして、このような問題意識の共有や蓄積が業界としてなされていないことが一番の問題のように思えます。Web制作業界などは裾野も広いので多少アレな面があることも否定できませんが、問題意識の共有や蓄積にかける彼らの熱意は、本当に凄まじいです。なんかこう、彼我のギャップに思い悩む今日この頃です。本当にどうしたもんですかねえ...。
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