いまさらで申し訳ございませんが、本年もよろしくお願い申し上げます。
昨年春(というか一昨年秋)から続く業務多忙がようやく一段落して、ようやく平常に戻りつつあります。ご時世的にこのまま平穏が続くということも考えられる訳ですが、そうはならないよう祈りたいものです。まあ、平穏な間に新しいアイディアを検討したりとそれなりにプランは考えていますので、そうなったらそうなったときということで。
本年初頭の所感として、何点か思うところを。
- ユーザー中心価値が試される
今年はユーザー体験をはじめとする、ユーザー中心価値の本当の価値が試される年になると思います。十数年前のバブル崩壊→超絶円高→金融危機→失われた十年のコンボの最中に、メーカーの利益に直接寄与しない品質がどのように扱われたのか、もうお忘れではありませんよね?コストセンター側に分類されたマニュアルがどのような目に遭ったのか、思い出すだけで涙があふれてきます(棒読み)。
ユーザー中心価値という価値基準は、まだ不況の洗礼を受けていません。単なる販売促進上の謳い文句として捉えられているのか、あるべき開発プロセスとして組み込まれているのか。この不況をくぐり抜けることができれば、製品/サービスにおける本質的な価値の一つとして、正式に認知されたということになります。またある意味では、我々消費者も試されていることも忘れてはなりません。
- マスメディアが試される
大手メディアが経営的に成り立たなくなるのでは?という問題以外に、毎日新聞問題に代表されるように、メディアの根幹たるコンテンツの信頼性にも、幅広い層から疑問符が突きつけらています。あれだけ偏向しているにも関わらず、受動的にTVニュースを受け入れ続けている人は、「何か雰囲気がおかしい」とは思っても、雰囲気に流される傾向があるようです。
メディアリテラシーについては「大本営発表に騙されるな」という話が必ず取り上げられますが、逆に政府が進めている政策がほとんど伝えられない/切り貼りして逆の方向で伝えられるという、逆方向の大本営発表がまかり通っているのが実情です。マスメディアの最大の武器は、「都合の悪いことは報道しない」であることに注意が必要です。
- 日本国民の良識が試される
いつ解散するのかはともかくとして、今年は衆議院選挙があります。マスメディアが試されるだけでなく、日本国民の良識が試されることになります。「報道されていないから」を理由として根拠のない与党叩きに乗るのか、それとも自分から情報を集めて両者を冷静に比較検討して投票行動するのか、その点を見守っていきたいと思っています。なお、現在の野党の政策センスの欠落、責任感・誠実さの欠如、法治主義・民主主義の軽視といった現状行動を踏まえると、現在の国際政治経済情勢下における政権交代は我が国に致命傷を与えかねないと判断しています。衆院選が近づいた段階で、彼らの実績を踏まえた具体的な問題をご説明することになるでしょう。
- ちなみに話題の定額給付金ですが、私は賛成です。理由としては、1.今回の経済危機は金融政策では対応できず、財政出動が不可避である、2.急激な需要減に対応するために需要を創出する必要がある、3.即効性が高く広範囲の需要を喚起する政策が必要である、の3点です。野党代替案では上記3を満たすことができず、この点に対する代替案を用意しない限り「緊急の需要刺激策は不要だ」と主張していることに等しいことに注意が必要です。それから政府の進める景気対策は定額給付金だけではありませんし(75兆円のうちの2兆円です)、社会保障費用増大に対応するための消費税増税とは財源が別で、関係ありません。ネット上に昨年の平成20年度1次補正予算から2次補正予算、平成21年度本予算における対策(と規模)をまとめた資料と官邸がまとめた概要資料(PDF)がありますので、ぜひ一度ご覧頂きたいところです。
まあそんなこんなで、本年こそ適切な更新頻度を維持すべく努力したいと思います...。