残暑お見舞い申し上げます(2014)

2014年8月18日

気が付いたら今年一度も更新していないじゃないですか! ということで、仕事が一段落したこともあり、最近考えていることをつらつらと書いてみます。

この数年「なんだかなあ...」と、いろいろと行き詰まりを感じることが正直なところ増えました。

  • 例えば「トリセツWeb化計画」とか、頭痛がします。とりあえずこの図だけは絶対に許せない、時系列で明示してる辺りが特に(笑)
    確かに電子化・ネットワーク化は利用者にとってメリットは大きいのですが、基本的に「ネット越しでも必要な情報を入手できればいいな(購入時の付属品をいちいち探すのが面倒くさい)」「製品購入前に操作情報を確認できればいいな(本当に自分のニーズに応えられるものなのか確認したい)」という目的に対するもので、探したい情報(や状況)が明確な状況が大部分を占めることになります。
    したがって、製品全体の概要(この部分はカタログやWebサイトの製品説明で展開可能)と詳細な操作指示情報(UIに透過可能な、単純な操作指示)の狭間、個々のユーザーが自分の目的にあわせて機能をどのように使いこなせばよいかという情報(ユーザーのQOLを上げるためのサポート情報)を受け持つ取扱説明書とは、目的も役割も異なります。この狭間をサポートするツールは、パッケージとして完結した状態で製品に付属していなければなりません。「電子版があれば良いのに」と「電子版があれば同梱冊子は要らない」は天と地ほど違うのです。
  • それよりも個別製品サポート情報へのアクセス改善とURLの永続性担保が先のような。
  • 『取説いらずの使いやすい製品』が日本で生まれにくい理由 」も別の意味で頭痛がします。
    取説いらずの使いやすい製品という発想自体が、取扱説明書の機能を狭く捉えすぎていると言わざるを得ません。「操作できる=使える=UX向上」ではないのであって、操作ができることに注目しすぎて、対象機能を使いこなすことによるユーザーのQOL増大(結果としての提供者側の利益拡大)という視点がごっそり欠落しているのが大きな問題です。
    これは設計職の方に良くある「UIの改善によりマニュアルは不要になる」という典型的な勘違いで、不要になるのは狭義の操作指示情報のみ(UI改善でどうにかなるのは狭義の「操作マニュアル」のみ)であって、機能概要などを説明することは困難なのです。対象機能の使いこなしには機能の理解が伴う必要があり、それはUI設計で必ずしも達成できるものではないのですが...。
  • 仕事の環境はいろいとと変わりつつも、TC領域を中心に20年超(!)仕事させて頂いているわけですが、「マニュアル」に対する周囲の理解がいつまで経っても向上していないと感じます。これは業界外だけでなく、業界内においても、です。業界内での問題意識や過去の取り組みの経緯(とその結果)が共有されていないため、いつまで経っても同じようなところをぐるぐる回っているようにしか見えません
    企業活動において外部専門家・専門技能を活用した品質向上活動がTC領域においてほとんど進まなかった(逆に「ソリューション」や「システム」による問題解決(いわゆる銀の弾丸願望)ばかりに注目が集まり、実直な品質改善が疎かにされた)こととあわせて、さすがにどうしたものかと言わざるを得ません。なんだかんだで開設以来18年を超えるこのWebサイトが、この閉塞した状況を変える一助として機能していない点については、力不足を恥じるのみなのですが...。

そんなこんなで、正直なところ様々な点で目算が誤っていた、というか楽観的に過ぎた(笑)と認めざるを得ない感じですね。さーて、これからどうしましょうか

まずは、お仕事絶賛大募集中です!大型小型、特定プロセスのスポット支援含め、ちょっとやらせてみようかな?という機会がありましたら、ぜひ声をお掛けください。制作案件だけでなく、既存の制作体制のままフォーマット改善(改善の前提となる現状品質評価)への外部支援や、まるでユーザーの方を向いていない商品/サービス説明が氾濫するWebコンテンツの改善など、ご協力できる・ご協力したい分野は無限にあるのです!(大事なことなので2度

ちなみに「パッケージとして完結している」のである限り、(電子媒体であってもパッケージとして頭から終わりまでリニアに読むこともできる)EPUBやPDF形式でもOKで、別に紙媒体に拘っているわけではないのです。「全部読んだけどどこにも書いていない!」などのように、ユーザーが全体を確認できないような形で提供されるのはNG、という判断です。まあそれでも電子媒体閲覧の一手間を掛けさせるのを何とかしないと、ですね。

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