1996年10月14日
今週は、現状はさておき、「こんなオンラインヘルプだったら大歓迎!」というテーマで進めていきたいと思います。前回までのコンテクストからすると、オンラインヘルプの導入によるユーザーにとってのメリット・デメリットは、次のようになるでしょう。
ということは、「こんなオンラインヘルプが欲しい!」というヘルプを作るには、メリットを極大化し、デメリットを極小化するという当たり前の手段を用いればよいのではないでしょうか?
紙の取扱説明書では、索引の作成がおざなりになりがちです。特に、索引作成機能をつかった索引なんて、はっきり言って作成者の自己満足に過ぎません(索引の作り方については次回の特集とします)。
ここでは、ユーザーが既存の語句から選ぶという形式ではなく、ユーザーが希望のキーワードを入力すると、関連箇所を全て表示してくれるような検索性を持つものがベストとしておきましょう。AI推論で、近似情報もまとめて表示してくれればいうことなしです。
ただ、現状のヘルプ作成ツールを用いたオンラインヘルプでは、このような検索性は望むべくもないですね。(何とかしてくださいよ、マイクロソフトさん!独自性で名を売る滅多にないチャンスですよ!!)
これについては、まあ、ほっときましょう。「こんなオンラインヘルプが欲しい!」というテーマとも関係ないですし. . . 。コストダウンの使命に燃える設計と資材の部署が勝手に軽量化してくれるはずです。
アクティブガイダンスとでも呼べばよいのでしょうか?
ユーザーに情報を表示するだけでなく、ヘルプ内の指示に従って操作すれば、希望の操作が完了している、というインタラクティブなヘルプであればベストでしょう。
ただし、ヘルプはあくまで困ったときのツールであり、通常の操作はユーザーが勝手に指定して操作できるものでなくてはいけません。いちいち聞いてくるソフトもありますが、困ったものですね。
このようなヘルプはもはや「ヘルプ」ではなく、「ナビゲーター」と呼ぶ方が適当なのかもしれません。アップル社が次期MacOSに組み込むと発表しているガイドが一番近いと思います。(とはいえ、見てみないと何とも言えません。早く出してください、アップルコンピューター様。)
ソフトが固まってしまって、ヘルプが役に立たないときのために「故障かな?」は紙の取扱説明書にも入れておきましょう。そうそう、ハードウェアの情報も忘れずに紙の方に入れておいてくださいね。