1996年9月30日
オンラインヘルプの隆盛の理由については前回の研究発表で考察しました。
今回はオンラインヘルプはユーザーの救世主になるのか?という疑問について考えていきたいと思います。オンラインヘルプに対する態度としては、次の3つが考えられます。
当研究所のおすすめは、「どちらも必要」です。つまり、当研究所では、「オンラインヘルプは万能にあらず。」と考えているということです。以下にその説明をさせていただきます。
本当ですか?! この立場をとると、「説明書を見ながら操作する」という操作のしかたを放棄することになります。(大きな画面のときは、いちがいにそうは言えないですね。)
また、重大な問題もあります。それは、「故障かなと思ったときに、オンラインヘルプが見られるとは限らない」という点です。取扱情報を提供する手段として、この点は致命的であると思われ考えますが、いかがでしょうか?
最近はハードウェア情報までオンラインヘルプのみに入れて悦に入っているメーカーもあるようですが、猛反省していただきたいものです。「必要ならユーザーにプリントアウトしてもらえばよい」ですって? そういうメーカーはさっさと工場をたたんでください。
当研究所は、どちらも必要だと考えています。
ただし、「同じ情報を紙とオンラインのどちらにも載せろ。」と言っているわけではありません。紙とオンラインでは、それぞれ最適な情報の種類といったものがあるはずです。
少なくとも、「故障かな?」は紙に入っているべきです。インストールや設置の説明も紙に入っていなければおかしいですね。なぜって、ヘルプが使えるようになる前の情報は、オンライン以外の方法で提供しなくてはなりませんから。
この「情報をどこで切り分けるか」というところがメーカーや取扱説明書の作成会社の腕の見せ所なわけです。前にも書きましたが、ひどい取扱説明書に出会ったら、メーカーに文句を言いましょう。
これも極端な意見かもしれません。
紙の使用量を減らしていくという大きな世の中の流れに逆らってまで、オンラインヘルプを忌み嫌う必要があるとは思えません。購入したときのパッケージも重くなりますし. . .
要は、「情報の切り分け方とバランスが大事だ」ということです。