1997年1月15日
ペルーの人質事件、重油漂着事件、株暴落、と暗い話が続く中で、なぜ今ここで、救いようのないコストの話をしなければならないのでしょうか。前回予告してしまった愚かさを嘆くことにします。
今さら言うことではありませんが、適正なコスト削減は常に必要です。ただ、コスト削減が手段を通り越して目的になってしまってはいけません。自動車販売で無敗を誇った、あのト○タ社のカ○ーラでさえ、「コスト削減で値段は下がったけれども、安かろう悪かろうではね」ということになったではありませんか。
その反省か、製品本体にはようやく適正なコストがかけられるようになってきたように思えます(とはいえ厳しいものがありますが)。しかし、マニュアルには相変わらず北風が吹き付けているようでございます。
では、マニュアルのコストを削減するには、どのような方法があるのでしょうか? おそらく、次の2通りの方法を併用することになるのでしょう。
それぞれの方法を採用するときに、具体的にどうコストを減らしていくのかを見てみましょう。
何か、むなしいですね。
本当は必要な情報を厳密に取捨選択して、情報を絞り込む、エディトリアルデザインの限界を超えない範囲でページあたりの情報量を上げる以上のことはするべきではないのです。
製品自体に適正コストというものがあるように、マニュアルにも適正コストがあるのです! でも、この種の「節操」を理解してくれない方が世の中にはあまりに多いようでございます。この文をお読みの皆様、戦いましょう!
いかがでしたか?
物書きのプロはそんなことを言ってはいけないのですが、書いていた本人が不愉快になるくらいなので、皆様も不愉快な思いをされたのではないかと思います。とはいえ、やはりものにはおのずから限度があり、その中で最善を探し出すのがプロの仕事である、ということをコスト削減万能主義者どもに何とかしてわからせたい!という願いは日増しに強くなるのでありました。当研究所はこのポリシーを持って、激動の97年に立ち向かっていきたいと考えています。