わかりやすい見出しのつけかた

1997年1月1日

更新が遅れてしまい、楽しみにされていた方々には本当にご迷惑をおかけしました。本年もよろしくお願いいたします。それでは、本論に入ることにしましょう。

わかりやすい見出しが含む要素

わかりやすい見出しとは、一体どういう見出しのことを言うのでしょう?
人によっていろいろな意見があるかと思いますが、次の3点にまとめられるのではないでしょうか。

操作内容を的確に表している

例えばCDチェンジャーで5枚のCDから自由に曲を選んで一つのプログラムを作って再生する機能があったとしましょう。この機能はメーカーのカタログやCMでは、「マルチディスクプログラム再生」と呼ばれていることとします。
この機能を説明する項目の見出しにはなんとつけるべきでしょうか?

まず×の理由ですが、これは機能名を知らないと、この見出しの下で何が説明されているのかがユーザーに全く伝わらないためです。これは論外です。
○の理由はなんでしょう? 操作内容が明確に表現されているために機能名を知らない人にも内容がわかるし、機能名が入っているために、カタログやCMを見て買ったユーザーもすぐに内容がわかるからです。
ただ、この例では機能が複雑すぎるので見出しが長すぎますね。実際に作るときは、何らかのワザを使ってもっと短縮する必要に迫られるでしょう。このワザとノウハウは企業秘密と言うことでお願いします。

簡潔明瞭である

簡潔明瞭に見出しを付ける、これは当然ですね。
たとえ操作内容を的確に説明しているものでも、「あまりに長い見出し」であるならば、結局何のことだかわからなくなってしまうものです。これでは「的確に表現している」かどうかさえ怪しいものです。そうかといって、必要な内容を端折ってしまった簡潔さということに意味がないのはおわかりいただけるかと思います。
ものにはおのずから限度があり、その中で最善を探し出すのがプロの仕事である、と申し上げておきましょう。

予備知識を必要としない

これも当然といえるでしょう。製品を買ったばかりのユーザーに、製品に対しての知識を要求するのは問題があると思います。
とはいえ、「ものにはおのずから限度がある」という命題はここでも有効です。例えば「CD」という単語が一切見出しについていないCDラジカセのマニュアルなんて代物は、全く想像できないですよね。
いろいろと難しいところです。

当研究所の考える「わかりやすい見出しの条件」をここまで解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

皆様の定義や感想などメールいただければ幸いです。

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