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 職人芸? 組織力?マニュアル制作会社における組織のマネジメントについてどう考えるか?、という感想をいただいたこともあり、とりあえず「ノウハウの蓄積」のお話しをしたいと思います。マネジメント関連ではいろいろと言いたいことがありまして(怒)、これからもこのコーナーで小出しにしていきたいと思います。
 
 
 
 ノウハウといっても...ひとことにノウハウといっても、いろいろ考えられます。マニュアル制作でいえば、次のようなことがあてはまるのではないかと思います。
 
テクニカルライティング技術
商品そのものや業界動向、周辺技術に関する知識
制作システムに対する理解
効率的な仕事の進めかた
 どれをとっても重要な要素ですが、これらのノウハウは正しく吸収、共有されているのだろうか?というのが今回の話題です(ノウハウはどうすれば得られるかといった重要な問題は、自分で考えてくださいね)。まわりを見渡してみると、ノウハウの蓄積のしかたがなってない状態のところが多いようです。これは主に勘違いしたマネジメントのせいのように見えるのですが . . . 。
 
 
 
 ノウハウはどこに蓄積されるかマニュアル制作に限らず、一般的に企業の内部では業務ノウハウをいかに企業風土とうまくミックスして、「○○社ならではの売り」にするための研究を日々行っているのではないかと思います。ところで、ノウハウとはそもそもどこに蓄積されるのでしょうか?
 世の中にはノウハウは組織に蓄積されると考えている、おめでたいマネージャーが数多くいるようですが、断じてそんなことはありません。
 ノウハウは、個人において蓄積されます。組織内の個人にこそノウハウは蓄積されるのです。この前提を忘れていると、「あの人がやめてしまったから、この分野のノウハウが欠落してしまった」などと平気で言い放って部下の失笑を買うマネージャーになってしまうのです。
 ほら、ノウハウはやはり個人に蓄積するものなのですよ(笑)。
 
 だからこそ、ノウハウをどうやって組織内で共有していくかを常に考えておかなければならないのです。いわば、職人のワザを広く浸透させるにはどうすればよいかを日常から考えておかなければならないのです。(主力メンバーがいきなり辞めるときにどうするかという)リスクマネジメントの面から言っても、こうした意識は必要だと思います。
 
 
 
 ノウハウを共有するには古くさくなってしまうのですが、やはり経験者(熟練者)と初心者を組み合わせた、チーム制を導入することが、手っ取り早くノウハウを共有するための手段ではないかと思います。一仕事終わったらノウハウの整理をかねて他の人のサポートを行い、それからまた別の仕事を始めるというようにマネージャーが業務をコントロールできれば、ノウハウの共有はさらに広がるはずです
 できれば一番経験を積んでいる人間には、100%の仕事量を与えずに、常にサポートもできる状態に置いておいたほうが良いと思います。このような人には全体的なノウハウの共有化も担当してもらったほうが、組織にとっては絶対にプラスになります。
 「できる人から仕事をさせる」というのは目先のことしか考えていないマネジメントではないかと考えますが、いかがでしょう?
 
 なにはともあれ、個人に蓄積したノウハウを、共同作業にいかに反映させ、組織文化として吸収していくかがポイントとなりますね。
 
 まとまりがなくなってしまいましたが、この辺の話題についてはまた別の機会に触れてみたいと思います。そういえば、このテーマに関連しそうな「そのコンピューターシステムが使えない理由」という、生産性とユーザビリティについての興味深い本を発見しました。機会があれば、このコーナーで紹介したいと思います。
 それでは今回はこのへんで。
 
 
 
 
 
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