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情報大工のひとりごと

パソコンが売れないというけれど. . .

政府のミスや勘違いもあって、景気が悪いですね。この国の経済状態に関しては、本当に冗談ではすまない状況になって来ています。
行政の無駄を排除すれば、旧国鉄負債の償却や減税ための財源なんていくらでもありそうなものなのに、本当に困ったことです。

景気が悪いといえば、パソコン業界もかなり景気が悪いらしいですね。
ギリギリ前年度比プラスの販売台数はクリアできそうとはいえ、見通しも下方修正されたようです。やはり新規購入層が思ったように増えないのが誤算だったのではないかと思います。




「おごるなパソコン」と言われても____見出し罫線____

先日、「おごるなパソコン − しょっちゅう故障、応答も居丈高」という特集が、ある雑誌に掲載されていました。
いわく、サポートが悪い、用語が難しい、すぐ壊れる...などなど。
そうは言いますが、そんなことは前から変わっていないのでは?というのが素直な感想です。現在のパソコンは、初心者が「なーんだ、簡単じゃねーか」といって使いこなせるほど簡単なものではありません。

そもそも、マスコミがWindows95の日本発売時前後から「これでパソコンは簡単になった。もう誰でも使いこなせる」とあおっていたような気もするのですが . . . 。
そう言えば「これからはパソコンくらい使いこなせないようでは、リストラされる」という脅しまがいの特集を組んでいたのも、マスコミだったような気もします。
そんな世の中を反映して、「ウィンドウズ、使えなければ、ウィンドウズ(窓際族)」というとんでもない川柳がコンテストで受賞していたこともありましたね。

それなのにそれなのに、いまさら「今のパソコンは初心者には使いこなせない。難しすぎる」というのですか、マスコミ業界の方々。あなた方にはマッチポンプ君という呼び名こそふさわしいかと思います。
パソコンの製造メーカーやソフト会社の広告が欲しいためなのかどうかは知りませんが、とんでもないことです。

以下、注釈です(笑):
この方達の現状無視能力には、本当に恐れ入ります。特に朝日新聞をご覧のかたは、経済面に掲載される解説を本気にしてはいけません。
まさか例の資本提携で、「アップル、マイクロソフトに買収される」なんて記事を書けるとは . . . 。
先日も面白い記事がありました。「サン、インテル陣営へ」というものです。インテル社のサーバー用次期主力MPU、コード名Mercedにサンマイクロシステムズ社の主力OSであるSolarisを移植するという話なのですが、朝日新聞にかかると「サンは今まで独自MPUだったが、インテル陣営に入ることになった。これでインテル陣営は云々」という調子です。
まったくもう、SolarisはすでにインテルのMPUで動いているんだってば! すこしくらい調べればわかることなのに、本当に困ったものですね。
ちなみに聞いた話によれば、こんなマスコミ記事を垂れ流して悦に入っている方がマネージャーには多いということです。あなおそろしや。
批判的に物事を考える習慣は、決してなくしてはなりません。気をつけましょう。(注釈終わり)

さて、マッチポンプ君につられて、使いにくいとは露知らず買ってしまったユーザーは、「何も考えないでマスコミを信じてはいけない」という教訓ができたでしょうからまだよいにしても、使われずにゴミとなったハードウェア、マニュアル(泣)のために投入された資源は一体どうなるのでしょう。
京都会議特集や、省エネ・省資源特集なんてやっている場合ではありません。
自分たちのやっていることの足元を、よーく見るようにお勧めしたいと思います。




使いやすいパソコンとは?____見出し罫線____

マスコミに文句を言うだけではどうしようもないので、使いやすいパソコンについてすこしだけ考えてみましょう。
現状のパソコンの一番の問題は、いろいろな意味で不安定なことだと思います。
ハード的に壊れる、フリーズする、他のソフトとコンフリクトする、日本語として成立しないマニュアル(怒)。使いやすい、使いにくい以前に、一般ユーザーを相手に販売するにはまだまだ信頼性が不足しています。
まずユーザーが安心して使えるようにするのが一番ですね。

それから、入力装置の改善も必要ですね。 確かに、現状のインターフェースシステムではマウスがベストかもしれません。しかし、場所をとったり、ダブルクリックできない人もいたり(これはダブルクリックの成立条件が極端に厳しいWindowsが悪い)するので、検討の余地はあると思います。
それよりもキーボードを何とかしないといけません。
慣れてしまえば簡単なのですが、パソコンやワープロでは、日本語入力がユーザーにとって一番のネックであると聞いています。
英文キーボードで日本語を入力するのが適当であるのか、他に日本語を早く正確に入力できるデバイスはないのか、という研究が待たれるところです。

最後に強調したいことは、パソコンは目的を持たない人にはただの箱ということを、一般のユーザーにわかってもらう努力をメーカー(もちろんマッチポンプ君も)がすることです。
さすがに「買うな」とはいう訳には行かないでしょうが、パソコンでできること/できないこと、パソコンを買わずとも専用機(例:ワープロ)でできることを明確に説明し、パソコンが不要なユーザーには、代替の専用機を推奨したほうがよいと思います。
パソコンにはいろいろなソフトウェアがインストールされる関係上、「自分たちだけのユーザーインターフェース」を用意することはユーザーにとって親切ではなくなる可能性があります。
少なくとも、パソコンのソフトはある程度共通されたインターフェースデザイン指針によってデザインされたものでなければ、ユーザーのためになりません。よく「もっとわかりやすいデザインを」という無責任なことをいう人がいますが、ユーザーが使うソフトは1つだけでないのです。
みんながみんな好き勝手なインターフェースを採用したらどうします? 初心者専用のインターフェースは、初心者や、パソコンを必要としないユーザーを対象とした専用機で採用すればよいのです。
データの互換性さえ確保できれば、それほどユーザーにとっての問題はないはずです。




マスコミには普段から「マニュアルが悪い」と無責任に攻撃されている憤りがあるため、すこし厳しい言葉遣いになってしまったようです(笑)。
もっとも、マスコミというくくりの中でも、立派な仕事をされている方がいることを忘れてはなりません(マスコミとマスコミもどきとはしっかり分けなければ失礼ですね)。
クライアントの圧力にもめげずに、正確な記事を書くよう努力されている方々に、ここで敬意を表したいと思います。
それでは今回はこのへんで。

今年もどうもありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。



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