製品のリサイクルをめぐって
家電製品のリサイクルを法案化する動きについて
新聞などでご存じのかたも多いと思いますが、現状法案の「廃棄時に消費者負担」についてはどうお考えですか?。
このあいだ、当研究所の最寄りのバス停のゴミ箱にビデオデッキが捨てられていました。さすがにゴミ箱には入らないので、上にのせてあるだけでしたが . . . 。
もともとは消費者の意識の低さが問題です。とはいえ、意識が低いと最初から分かっているのであれば、最初から製品価格に反映させておいて、廃棄時は無量回収にしたほうが良いのではないでしょうか。
いつもながらの「その場さえよければよし」とするメーカーの姿勢には呆れるばかりです。
1台のビデオデッキの不法投棄ならまだ笑っていられますが、これが山林への大規模不法投棄に発展してからでは遅いのです。 (1998.04.08)
ノートパソコンの再利用はどうします?
インテル社からノートパソコン用Pentium IIも発表され、ますます盛り上げっているノートパソコン市場ですが、実は気になることが1つあります。
デスクトップパソコンの場合だと、いままで(Socket7使用のMPUの場合)はオーバードライブプロセッサなど旧機種をアップグレードして使用することができました。でもノートパソコンでは各社小型化/薄型化へ知恵をしぼるので、とてもそのようなことは期待できません。一般ユーザーではメモリの増設とHDDの換装が精一杯でしょう。
ちなみにPowerMacintoshの大多数は、ドーターカードの差し換えでアップグレードできます。PowerBookでもサードパーティ各社の努力により、アップグレードが可能となっています。対象機種が限定できるアップルの製品ならではと言ってしまえばおしまいですが。
何を気にしているかというと、また廃品が山のように出るのでは?ということなのです。もうすこし筐体を含めた再利用についてメーカーの方には考えていただきたいと思います。
特に最近流行りのマグネシウム筐体. . . 。あれは燃えないゴミでしょうね. . . 。メーカーが責任を持って回収→再利用の道筋をつけてほしいものです。
もっとも、あれだけ売れているのだからVAIOノート505専用アップグレードキットを企画しても、採算がとれるかもしれないですね。ソニーだけでなく他のパーツメーカーでも結構ですので、少し検討してみていただけないでしょうか(笑)。 (1998.04.20)
プリンタのアップグレードサービス
エプソンが一部のインクジェットプリンタに対し、上位機種相当の解像度へアップグレードするサービスを期間限定で受け付けるようです(以前にも行われたということでしたが、そのときは知りませんでした)。当研究所はこの決断には拍手を送りたいと思います。
今回対象となる機種に、ベストセラー機種であったPM-700が含まれていることの意味も大きいです。不況の世の中を反映してか、新機種を発表してベストセラー機種の代替需要を喚起するのは当然であるという販売戦略が横行しています。そのなかで、あえて旧機種のアップグレードサービスをメーカー自らが行うことには、重要な意味があるのではないでしょうか。
ベストセラー機種が代替されるということは、当然大量のゴミが発生することを意味します。リサイクルを意識した開発手法が徹底されるにしても、最初からリサイクルに回すものは少ないに越したことはありません。
そうした視点で考えてみると、メーカーがアップグレードサービスを行うことによって製品の寿命を延ばすことは、ユーザーに対するサービスでもあると同時に、メーカーの社会的責任の履行であるという側面も大きいと言えるのではないでしょうか。
メーカー主導のアップグレードが当然になってくると、筐体製造をはじめとして、各部品メーカーの経営が苦しくなるという側面は確かにあるかと思われます。しかしユーザーとして、そして地球市民としては今回のような動きが加速され、当然のこととして日常化することを願ってやみません。
特に、不具合改善とスキンチェンジで「新機種です!」というごまかしのまかり通る家電業界には、こうしたシステムを本格的に採用できないかどうか、ぜひ一考していただきたいものです。 (1999.08.19)
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