メーカーの論理にモノ申す
メーカー本位のセットアップはいらない
日本でも8/29から発売されるiMac。楽しみです。当研究所のメインDTPマシンよりも高速なので、ぜひ1台欲しいところです。
iMacといえば、通常のPC/AT機よりも簡単に(開梱してからすぐに)インターネットに接続できるという比較CMをアメリカでは放映しているようですが、この簡単なセットアップということで思い出したことがあります。
Windowsマシンは、なぜユーザー自身にセットアップをやらせるのでしょうか(初回電源投入時)? Windows98の導入トラブルの中には、1とI、0とOといったProduct IDの打ち間違いが相変わらず多いと聞きます。自作マシンならともかく、最初にユーザーにセットアップさせるようでは、とてもプリインストールマシンとはいえません。
それにプリインストールマシンに関してのWindowsのサポートは各OEMメーカーにやらせているそうですし、元々ユーザーが名前や勤務先、Product IDまで入力する必要はないように思われます。そのうえ、マイクロソフトや各製造メーカーに対するユーザー登録は別途行わなければなりません。
そこで提案。ユーザーが製造メーカーにユーザー登録するだけで、メーカーはもとよりマイクロソフトから各バンドルソフトの提供メーカーまで、すべて自動的にユーザー登録されるというようなシステムは作れないのでしょうか? こうすることで、Windowsのセットアップは事実上必要なくなります。時計やタイムゾーンはメーカーが出荷前に調整しているようなので、実際の問題はほとんど出ないでしょう。
もしマイクロソフト社の方針が原因でそのようなシステムが作れないのであれば、各メーカーが一致団結して交渉して欲しいと思います。
なぜこんなことを主張するのかといえば、パソコンに付属するセットアップガイドにある、実際に操作できるようにするまでの操作をこれで大幅に削減できるからです。
一体型のマシンであれば、キーボードとマウス、電源コード、電話線をマシンに接続すれば、それでインターネットに接続するための準備は終わりです。
Product IDはどこに書いてあるとか入力するときは必ず半角英数字でといった、実際に使用するまえに初心者を困惑させるような説明が一切必要なくなるので、マニュアル制作者側から見ても、気分爽快この上ありません(笑)。
マイクロソフトならびに各製造メーカーの担当者様、マスメディアと共同でWindows98(NT5も同様です)を盛り上げるのも結構ですが、こういった足下からの改善も忘れないで欲しいものです。アクセスログによると、このWebサイトはマイクロソフト社以外のハードウェアメーカーのかたも数多くご覧になっているようですので、ぜひご検討いただきたく思います。
そういえばバンドル版のAcrobat Readerも、ユーザーがセットアップしなければならなかったような気が . . . 。今はどうなんでしょう? もしライセンス許諾契約をどうしても読ませたいためにインストーラーしかバンドルさせないということであれば、アプリケーションの初回起動時に自動的に表示させるようにすれば済むことのように思えます。
とにかく購入してからバンドルソフトをわざわざセットアップしなければならない現状を、まず何とかして欲しいものです。 (1998.08.24)
仕様だと言うのなら. . .
米Extensis社のPortfolioという画像データベースソフトウェアをご存じですか?(日本の販売代理店はSoftware Tooです)。Adobe社に吸収合併されたAldus社のFetchというソフトウェアが前身で、Abobe IllustratorなどでつくられたEPS画像を実データを用いてきれいにカタログプリントできるので、イラストの整理に重宝するという話をきいておりました。Extensis社がAdobe社から買い取ってPortfolioとなった訳です。
さて、当研究所でも画像データベースソフトを導入する必要に迫られ、Extensis Portfolioを購入しました。しかし、ここで問題発生。なんとベクター形式のEPS画像をカタログプリントできないのです。厳密にいうとプリントアウトできるのですが、レイアウトソフトに貼り込むときのプレビュー程度の画質しかありません。
この画質では引き出し線がどこから出ているかなどを確認することはできず、少なくともマニュアル制作用の画像データベースソフトウェアとしては、使い物になりません。
このような症状はSoftware TooのWeb上のカタログにもマニュアルにも、CD-ROM内のReadmeファイルにも記載されていません。旧バージョンでもできるのだから、こちらの環境が原因かと考えて試行錯誤すること数時間、あきらめてSoftware Tooのサポート窓口に問い合わせました。
「そういう仕様ですので、PhotoshopなどのラスタライズされたEPS画像にしてください」
画像データベースのためにわざわざラスタライズしていたら、データベースソフトから直接レイアウトソフトに貼り込めないじゃないですか。そもそもこの機能は前バージョンのFetchでは普通に使用できたはずです。
「Portfolioはコードを一から書き直しているので、そのようなこともあります」
「お客様の要望によっては、この問題をサポートページに追加することもあります」
少なくとも仕様であるならば、マニュアルに絶対のっていなければならない情報であることは間違いありません。ただでさえ忙しいユーザーの時間を、どれだけ奪ったと思っているのでしょう。
そもそもIllustratorのEPS画像を実データでカタログプリントできないというような制限は、ユーザーがソフトの選定にあたって事前に調査するために必要な情報です。特に「仕様だ」と開き直るのであれば、パッケージやカタログ、Webのサポートページなどでオープンにされているべき情報でしょう。事前にしかるべき情報開示をせずに、問題が発生したときは責任をユーザーに転嫁するSoftware Tooのやりかたには大いに問題があると言わざるを得ません。
当研究所の場合、このことが分かっているのであればPortfolioなど購入する必要などなかったのです。購入にあたって事前に各ソフトウェアの情報をWebで調査しておいてこの結果ですから、ユーザー無視の経営方針と弾劾されても文句は言えないはずです。
という訳で、上記のような用途で画像データベースソフトをお探しのかたはExtensis Portfolioを購入してはいけません。あとで後悔することになります。
(1998.08.26)
アップデータは1回で
MacOS8.5を8.5.1にするアップデータがリリースされました。
しかし8.5自体のバグフィックス用アップデータは別にあります。したがって、これからMacOS8.5を導入するユーザーは、MacOS8.5→バグフィックス用アップデータ→8.5.1アップデータ、と3段階のインストールをしなければなりません。
せめて8.5.1アップデータに8.5のバグフィックスを含めることはできなかったのでしょうか? またはバグフィックスを含んだバージョンを別に用意できなかったのでしょうか?
これは雑誌CD-ROMにアップデータを収録するとかしないとかとは次元の異なる問題である、ということに一刻もはやく気づいて欲しいものです。
ところで最近リリースされたWindowsNT用のサービスパック(SP)4は
50MB
以上の容量があるとか . . . 。これだけの容量があるのであれば、まさかSP4にはこれまでのすべてのSPの内容を含んでいるんでしょうね?
常識的に考えて、一般ユーザーが電話回線経由でダウンロードできる容量とは思えませんので、ダウンロードまたは実費で有償配付といったディストリビューションに限定せずに、ぜひ雑誌CD-ROMへの収録をお願いしたいところです。
それともOffice97のときのように
機能追加も含んでいるのでバグフィックスではない
というお得意の論法が炸裂するのでしょうか。
こちらも事態の推移を見守りたいところです(笑)。 (1998.12.22)
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