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情報大工のひとりごと

サポートするということ



横浜フリューゲルス問題に注目する____見出し罫線____

Jリーグの横浜フリューゲルスと横浜マリノスの合併問題が紙面をにぎわしていますが、マスコミの報道は(相変わらずですが)論点を外したものになっています。
佐藤工業が本業の業績不振で撤退すること自体はしかたありません。サポーターも佐藤工業には感謝こそすれ、文句を言っている人はほとんどいないようです。問題は、ANAと日産自動車が自らの判断だけで、地域やサポーターを無視してフリューゲルスというチームを実質的に消滅させる決断をくだしたことにあります(その合併案を了承したJリーグの事務局の見識も疑わざるを得ませんが)。決断プロセスおよび決断内容のどちらにも問題があるのですが、この点を正確にとらえていない報道が多いようです(それとも、わざとそういう報道をしているのでしょうか?)。
しかし、こうした騒動の中で横浜フリューゲルスのサポーターは署名活動だけでなく、自らに痛み(出費増や時間拘束)がともなってでもチームが存続できるような道を模索しています。温かく見守っていきましょう。

なぜ急にサッカーの話を持ち出したかというと、この話は自らがコストを払って何かをサポートするという姿勢について改めて考える機会になったからです。
BS放送やCS放送といった例外はあるにせよ、テレビ番組は基本的に無料です。プロバイダーに料金を支払っているといっても、インターネットは素晴らしい情報を無料で提供してくれています。数々の素晴らしいフリーソフトウェアがパソコンをより便利で快適なものにし、Web上の伝言板には「〜なソフトは知りませんか?フリーのがいいです。」という文言にあふれています。FreeBSDやLinuxといった堅牢なOSすら無料で手に入れることができます。

でも、すこし立ち止まって考えてみましょう。
何かを無料で手に入れられることが当たり前になっていませんか? 無料で手に入れられることを当然の権利だと思いはじめてはいませんか? (1998.11.09)




無償で提供される情報____見出し罫線____

無料で提供されているものを享受する際には、無料で提供されているということの理由を考えなければなりません。
個人のポリシーやボランティア精神によるもの(個人運営によるネット上の情報サイトなど)もあるでしょうし、スポンサーが背後に控えているために、無料でありながらも提供主がビジネスを可能にしているもの(TV局など)もあるでしょう。

ところで新聞や大手マスコミなど、スポンサーに依存する情報源の最近の情報の質は、かなり低いように感じます。スポンサーに遠慮する必要のない個人のWebサイトや、「MagazineX(車関係)」や「パソコン批評」といった関連する業界からの広告を排除した運営を心掛けている出版物のほうが、情報としての信憑性が高いと感じることが最近多くあります。
身の丈にあった経営を心掛けずに親会社からの補填に頼ったため経営破綻した、などとJリーグのチームを批判する暇があるのなら、購読料だけの収入ではやっていけないためにスポンサーからの広告に頼り、その結果スポンサーに対する厳しい意見が書けなくなった自分たちの現状を厳しく見つめていただきたいものです。

しかし理想論はともかくとして、こうしたビジネスに乗った情報提供が主流であることはそうそう変わらないでしょう。そうしたシステムを取らないかぎり、現在の社会システムでは継続的で安定した情報提供はできないことも確かです。
そうはいっても、本当に有益な情報はビジネスとは離れたところに多く存在することもまた事実です。しかしビジネスとして成立していない情報源であればあるほど、その存在は運営者の努力とモティベーションに依存しているといえます。
このような情報を享受している人は、享受するだけでなく、サポートする必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか?(つづく) (1998.11.17)



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