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テクニカルイラストの話題



テクニカルイラストの品質について____見出し罫線____

テクニカルイラストの品質に関心を持ったことのある方はいっらっしゃいませんか? 「テクニカルイラストって何?」と思われる方は、マニュアル中の説明で使用するためのイラストと理解していただければ良いかと思います(主に製品自体のイラストを指すことが多いようです)。
3次元空間に存在し得ない形状(要するに形状が歪んでいる)になっている論外のイラストもよく見かけますが、それ以上の多いのが何か安っぽく見える、質感の低いテクニカルイラストです。確かに精緻に描き込んではあるんだけれども、質感が低く感じられるという類の物です。

テクニカルイラストでは精緻に描き込むことよりも、ユーザーがすぐに理解できることが優先されます。そのため、できるだけ余計な線を省いて単純な線で構成しつつ、元の外形の特徴を正確に反映していてユーザーの理解を助ける、という物がベストなのではないかと思われます。わかりやすさとイラストとしての質感を維持するためにも、情報としての正確さを損なわない範囲において、デフォルメも大いに推奨されるべきでしょう。
最近ではコストダウンの絡みからか、CADのモデリングデータを任意のパースで書き出した物を、そのままイラストとして使用している例が散見されます。確かに安上がりで手持ちのデータを有効活用できるのでしょうけれども、これはテクニカルイラストの本質を誤解しているとしか言いようがありません。テクニカルイラストに「CADのような精緻な仕上がり」を求める制作者やエンジニアは多いようですが、ユーザーがイラストに求める性質は違うのではないでしょうか。

以上のような疑問を持ったのですが、残念ながら当研究所にはテクニカルイラストの専門家がいません。そこでこの辺の明快な根拠を探るべく、先日大型書店でこの領域の書籍を探してみました。
しかし、ソフトウェアの使いかたの説明書か、芸大でやるようなイラスト技法の解説書の両極端の書籍しか見あたりませんでした。推測するに、質感に直結するのは基本的なデッサン力であり、この能力は本を読んで勉強するよりも自分で努力して身につける必要がある、というのがこの業界のスタンスなのでしょう(自分の体験を他人に説明するために言語化できないだけのようにも思えますが. . . )。
しかしこういう時代ですから、CGからイラスト作成を始める初心者も多いはずです。こういった層に向けて、デッサンの基本とソフトの使いかたを合わせて説明するような本があっても良さそうなものなのですが. . . 。どなたかこういった書籍をご存じないでしょうか? (1999.07.07)



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