トップページに戻る  
はじめにお読みください  
新着情報  
研究発表  
情報大工のひとりごと  
業務案内  
ご意見箱  
リンク集  
情報大工のひとりごと

雑感いろいろ(書庫)(6)



電源周辺の互換性がなぜ問題にされないのか?____見出し罫線____

あまり表に出てこないながらも、家電製品に関していつも疑問に思っている問題があります。それはACアダプターやバッテリーといった電源周辺部品の互換性がほとんど確保されていないことです。家の中に様々なACアダプターやバッテリーが散乱して、どれをどれに使って良いのかわからなくなって、途方に暮れたことはありませんか?

もちろんバッテリーの形状は筐体デザインに直結しているため、魅力的な筐体デザインを採用するためにバッテリーを特殊形状にしたり、機種毎に異なる形状にせざるをえないという面もあるでしょう。ACアダプターに関しても、必要な電力だけを効率よく供給できるように専用設計にした方が、製造物責任という観点からもメーカーにとって動作検証をしやすいことは理解できます。

ですが、筐体一体型の内蔵バッテリーならばともかく、それ以外の部品は外付けで交換可能なものです。各サイズが規定されている乾電池のように、ACアダプターやバッテリーも、汎用性のある共通部品化することはできないのでしょうか(最近のデジタルカメラは、乾電池サイズの市販充電池を利用できるものが増えています)。こうした部品を共通部品化することで、ユーザーにとっては古い部品を有効活用でき、別のメーカーの製品を購入したときでもわざわざ新品を購入する必要が減るというメリットがあります。メーカーにとっても在庫管理が楽になるだけでなく、修理部品の保有コスト削減も期待できますし、マニュアルから余計な注意文を削除できる(笑)というメリットがあります。バッテリーは乾電池のように(ビデオカメラ用などの大きいものも含めて)複数の形状をあらかじめ規定しておけば良いでしょうし、ACアダプターについても端子部の色を(6Vは赤、9Vは青などのように)電圧と電流、そして極性ごとに色分けするなどすれば、ユーザーにもわかりやすい表示は十分に可能でしょう。

メーカーとしては「利幅が薄い本体だけではやってられん。割高な専用別売品を売りつけて収支を改善せねば」という現状があることも理解できます。しかし、このような発想はユーザー不在であるだけでなく、環境負荷を考えても最早成立しえないのではないでしょうか。いくらリサイクル体制を整えたところで、無駄なものを製造すること自体をやめないのであれば、それは欺瞞に他なりません。

「ACアダプターの待機電力を大幅に低減する電源制御回路技術を開発」といった技術開発も重要ですが、もっと根本的なところにも各メーカーが目を向けてくれることを期待しています。 (2001.04.11)




コンピュータ関連書籍売り場に異変あり____見出し罫線____

昨年頃かと思いますが、新宿のヨドバシカメラ マルチメディア館のコンピュータ書籍売り場に異変がありました。いきなりデッサン技法書などのデザイン専門書がコンピュータ書籍売り場に並び始めたのです。(おそらく)今年になってからかと思いますが、秋葉原のLAOXザ・コンピュータ館の書籍売り場も同じような状態になっています。

コンピュータを利用したグラフィックやWebデザインが一般化するにつれ、デザインの専門教育を受けた訳ではない人達もこの分野に興味を持つようになりました。しかしコンピュータ関連書籍は上っ面のテクニック技法書ばかりで、本質的なデザインの入門書はほとんどありません。できればテクニック集だけでなく基本書も購入して参考にしたいという、こうした消費者のニーズをおそらく読みとったからこそ、前述のような売り場の変化が現れたわけです。実際にビジネスとして売り上げ貢献に直結しているかどうかは不明ですが、特定ジャンルの書籍購入に関してはワンストップ・ショッピングが可能になった訳で、それなりの販売機会の増加にはつながっているであろうことが推測できます。

さて、こういった考えかたはECの世界にこそ有効だと思うのです。例えば、タブレットを購入するユーザーは、デザインの専門書を購入する確率が高いのではないでしょうか? コンピュータとソフトウェア、周辺機器だけでなく、ユーザーが実際に特定の場面で必要になる製品は、もっと多いと思うのです。実際の店舗では階毎に売り場が分かれていたり店舗が分かれていたりする訳で、ユーザーは途中で購入した商品を抱えてあっちこっちへ移動する羽目になります。しかし、実際の使用場面ごとにつながりのある商品で売り場が構成されているならば、こんな苦労はなくなります。消費者のライフスタイルを意識して、ブランドや商品ジャンルにとらわれずに売り場を構成するということが小売業で注目されているようですが、これも同じような流れにある現象といえるでしょう。

しかし実際には、一つの店舗でこうした品揃えを実現することは困難であったり、さまざまな(笑)しがらみで理想的に話が進まないことが多いようです。ですが、ネットを利用した個別商店の集合体であるショッピングモールには、本来そうした制限がないはずなのです。何故こうした個別商品カテゴリー群を越えて、ユーザーの実際の使用場面に即したカテゴリー横断的な販売システムを構築できないのでしょうか?(まあ個々の店舗ごとのエゴその他であることは十分予想できるのですが、ね。)

販売不振に悩むショッピングモール系のECサイトが多いようですが、基本的なユーザビリティの見直しだけでなく、ユーザーニーズを直接とらえた形態での販売を可能にしていくようなシステム刷新も重要なのではないでしょうか。 (2001.05.20)




標準案内用図記号(ピクトグラム)____見出し罫線____

交通エコロジー・モビリティ財団から、主に交通/観光/商業施設用にデザインされたピクトグラム(図記号)の標準案と、アウトラインデータ(Adobe Illustrator形式)が配布されています(詳しくは利用規程をご覧ください)。直接マニュアルに関係するものがあるわけではありませんが、禁止指示のための表現や人物の表現など、いろいろと参考になるものが多いのではないかと思います。また、このピクトグラムが想定するような施設では、Webサイトや各種パブリケーション、そして現実(リアル)の施設に使用するピクトグラムを統一することで、相乗効果を期待することもできるでしょう。

ピクトグラムにしろアイコンにしろ、最近は凝りすぎたものが多く、視認性という面で問題があるのでは?というものが増えているような気がします。視認性だけならともかく、これ何を意味してるのさ?というようなもののも増えています。要するにビジュアルとしての存在だけで、本来想定した機能を果たしていないわけです。

ビジュアル的なワンポイントであれば多少凝ったくらいでちょうど良いのかもしれませんが、最低限必要なコミュニケーションやナビゲーションのために用いるものであれば、今回配布されているようなシンプルで、かつわかりやすいデザインを参考にしてみるのも良いのではないでしょうか。そういう意味で、Webデザインに携わる方にも必見と言えるでしょう。

ところで、TCシンポジウム2001(主催:テクニカルコミュニケーター協会)のプログラムの暫定版が公開されているようです。関心のある方はぜひどうぞ。 (2001.07.23)



前の発表へ 一覧に戻る 次の発表へ