ご注意を読んでもらうには

1997年3月15日

前回の予告では「見出しのつけかた(2)」だったのですが、主に「ご注意」を取り扱う予定だったので、思い切ってテーマ名称を変更してみました。今回は「ご注意」などの細かい見出しの付けかたについて考えてみましょう。

まずは一般論

まず、マニュアル中の「ご注意」を読んでくれるユーザーがどれくらいいるでしょうか?

それというのも、あまりに意味がなかったり、何をいっているのかわからないご注意が多すぎるためです。どうひいき目に見ても、メーカー側の言い訳にしか過ぎないものも散見されます。これではユーザーも「ご注意」はいらない情報のふきだまりだと思って、重要な情報を読み落としてしまうことにもつながりかねません。

そのような現状を改善するためにまず必要なことは、本当に必要な情報しかマニュアルには載せないことです。言い訳をしなければならないような商品を出荷するのは止めてもらいたいものです。

タイトルは的確に

さて、本題に移ります。「わかりやすい見出しのつけかた」でも説明しましたが、何よりも必要なものは「的確な見出し」です。

つまり、これから説明されることが何についての説明なのかをユーザーに明確に示すことが必要となります。何についてのご注意かを明確にすることで、ユーザーの注意を引くことができます。

結果として何が起こるのかを示す

ご注意というのは「〜しないでください」という情報が主体になります。とはいえ、その結果として何が起こるのかをユーザーに伝えなければ、ユーザーは軽い気持ちで読み流してしまうことも十分にあります。

したがって、「〜しないでください。そうしないと〜」という説明方式を取るべきです。特に、ユーザーの不利益になることが発生するときは、どう不利益なのかはっきり伝える必要があります。これはPL(Product Liability、製造物責任)法の基本精神にも合致しています。

実例コーナー

では、実例を見てみましょう。以下に例を2つあげます。

ご注意

この「ご注意」をお読みになってどう思いますか?

たしかにご注意としてあたりまえの文章ですね。でも、これでは結果としてどのような出来事が起こるのかわからないため、ユーザーが読み飛ばしてしまう可能性が十分にあるように思えます。

それでは、次の例はどうでしょうか。

フロッピーディスクの保管場所について

これでユーザーは、何についてのご注意であるかその結果としてどのようなことが起きるか、を知ることができるようになりました。ご注意の文章はこのようなものでなければなりません。

でも、実は例Bをもっとわかりやすくする方法もあります(答えは最後に)。

今回は、「ご注意」をわかりやすくするための方法について考えてみました。他にもいろいろあるのですが、今回あげたことを忘れなければ、何とか大丈夫だと思います。(わかりやすい表現をすることは当然です。)

問題の解答
ご注意のタイトルを「保管場所によっては、フロッピーディスクの記録内容が失われることがあります」という文に変更したほうが、ユーザーにより強くアピールできます。

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