XMLとPDF
マニュアルとXML
さて、最近巷で話題のXML(eXtensible Markup Language)ですが、マニュアルでの利用に関しては、作成者/利用者側双方の視点から眺めてみても、正直「?」という感が否めません。
いままでビジュアル制御だけしかできなかったHTMLに対して、XMLでは意味も制御できるというのが売りのようですが、これには重大な誤解があります。
少しでもHTMLのタグに関する知識をお持ちのかたであれば、現状のHTMLでも(かなり制限はありますが)おおまかな意味の制御ができることをご存じかと思います。HTMLとXMLの決定的な違いは、XMLでは意味の制御に使用するためのタグを、自分で指定することができる、という点にあります。
しかし、この利点はマニュアルにはあまり関係がありません。
本気でデータベースパブリッシングをしようとするならば話は別ですが、現状でXMLを導入するメリットがあるとするならば、DTPソフトウェアで使用したスタイルパレットをそのままスタイルシートに流用できることくらいしか思い付きません。
データベースパブリッシングを行う場合でも、階層構造に拘束された、厳密な見出しルールを作る必要が出てきます。そうはいっても、このようなルールに基づいた見出しが、マニュアルに対する現状のユーザー要求を充足させるものであるかどうかには、重大な疑問があります。
このあたりの話題については、来月中に研究発表で取り上げたいと思います。それまでの間、便乗商売に引っ掛からないよう、くれぐれもご注意ください。
なお、次回研究発表「PDFがやってきた(3)」は5/11に公開いたします。お楽しみに。 (1998.05.06)
Adobe IllustratorのPDF機能
Adobe Illustratorのバージョンが7にあがったとき、保存形式としてPDFが選べるという機能紹介があったのですが、そのときは気にもとめませんでした(ショートカットキーの配置変更があったので、既存のバージョン5.5を使いつづける決断をしたせいもあるのですが)。ところが最近になって、IllustratorにはPDFファイルを解析して読みこむ機能があるという記事を目にしました。
そこで手元のバージョン7.01で実験した結果、PDFファイルを開けるばかりでなく、ファイル中の文字修正も自由にできる(もちろんグラフィックの追加もOK)という、いままで気付きもしなかった素晴らしい機能を確認した次第です。Illustratorをお持ちのかたは、英語版のPDFファイルを用意して、実際に体験されてみてはいかがでしょうか。
現状のバージョン7では日本語のPDFを解析/編集できないという問題があるようですが、これは来月リリース予定のバージョン8で対応するようです。また、一度にひとつのページしか開けないという制限もあります(ファイルを開くときにページを指定(選択ダイアログの画像:32KB)するようになっています)。
PDF編集の専用ソフトを入手するかどうか検討していたのですが、もうすこし様子見をすることになりそうです。バージョン8が発売されしだいこの機能のレポートをしたいと思いますので、お楽しみに。
この機能について情報をお持ちのかたは、当研究所までレポートをお寄せいただければ幸いです。お待ちしております。 (1998.10.22)
Macromedia FreehandのPDF機能
Adobe IllustratorのPDF解析について紹介したところ、読者のかたから「Macromedia Freehandもバージョン8であれば、複数ページのPDFでも開けますよ」との情報をいただきました(情報提供どうもありがとうございます)。
当研究所ではバージョン7まではバージョンアップしていたのですが、使用頻度がかなり低いせいもあり、バージョン8は見送っていたために全く気が付きませんでした。さっそくMacromedia社に問い合わせて、期限オーバーでもアップグレード申し込みを受け付けてくれるかどうか確認してみたいと思います(不況のせいもあるのでしょうが、このあたりの事務受付は最近柔軟になってきているように感じます)。
実際に検証してみたわけではないので、日本語は通るのか、どの程度の解析が行われているのか、という点については未知数です。詳しい情報をお持ちのかたは、当研究所までレポートをお寄せいただければ幸いです。お待ちしております。
当研究所でも入手できましたら、IllustratorとPDF機能の比較検証してみたいと考えておりますので、ご期待ください。 (1998.11.13)
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