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情報大工のひとりごと

読者の声(1)



楽しいマニュアル____見出し罫線____

当研究所にいただいたご意見、ご感想のなかから興味深いものをご紹介するコーナーです。今回は、某メーカーにお勤めの方からいただいたご質問です(もちろん脚色がかなり入っています)。

僕達は一生懸命マニュアルを作っているのに、営業や販売店の人が「こんなマニュアルを読んでも製品を使う気になれない。もっと楽しいマニュアルを作れ」といじめるんです。お金も時間も人もないのに、いったいどうすれば良いのでしょう(涙)?

これは困りましたね。
営業さんや販売店の方がどういう「楽しさ」を要求しているのかが、まず問題ですね。もし、「キャラクターが楽しそうにしているイラストを入れたりして、楽しさを演出してくれ」と言っているのであれば、速攻で却下したいところです。
こういった演出は、特定のユーザー層には受けるのですが、逆に一部のユーザーから反感を買うことも実は多いのです。その割には特別なレイアウトやイラストを多数起こしたり、構成を練り直したり、お金も時間も人も必要とするのがこの対処法なのです。
マニュアルを作っている人がその製品のマニュアルだけ作っているのならともかく、現実的にはそういう訳には行かないでしょう。
そこまでの犠牲を払ったとしても、この方法では確実なメリットが得られるかどうかわからないんですよね . . . 。

無難な解決策としては、この製品ではこんなことができるんだ!ということを効果的にアピールするページを付け足すことが考えられるでしょう。文字だけでは辛いので、できることを示す程度の概念イラストを入れれば効果倍増です。もちろんそこから該当操作への案内を載せておくことも忘れずに。
それに加えて、実際の操作説明の前にある導入(イントロ)文で、その操作の具体的なメリットを訴求することも大切です。
こうした手段を使うことで、できることを現実的にイメージしてもらい(ユーザーの頭の中で)楽しさを演出してもらう、というのが置かれた状況を考えると妥当であると思われます。
この線で先方と折衝すれば、きっと納得してもらえるものと思います。もちろんそれとは別に、上司にお金と時間と人を増やす要求を出すことも忘れてはなりません(笑)。 (1998.07.13)




次世代HI____見出し罫線____

前回の研究発表に関してご意見をいただきました。どうもありがとうございます。

私も音声入力には疑問を持っています。
なぜかといえば、セキュリティの面で問題があるように思えるからです。周囲に人がいるところでは内密な文書は打てませんし、オフィスでも文書の間違いを周りの人からいちいち指摘されそうです。

確かにその通りで、音声認識だけではどうしようもないことは疑いありません。
ただ、キーボードを使いたくない人や、キーボードに慣れていない人にとっては、それなりに利用価値はあるのではないかとは感じています。また、「アイディアの口述」という用途には、変換さえある程度実用になるのであれば、キーボードというデバイスを介在させない分だけ、自分の思考に集中できるというメリットがあるようにも思えます。

これからのイチ押しは、タッチパネルやペン入力ではないでしょうか。 液晶ディスプレイなら机の上に水平に設置できるというメリットもあります。

タッチパネルを完全に失念しておりました。研究発表の改訂時には、ぜひ盛り込みたいと思います。
確かにタッチパネルやペン入力は目的のオブジェクトに対して直接操作する感覚になるので、ユーザーがデバイスの操作に気を取られることは少なくなりますね。
実は研究発表では端折ってしまったのですが、元の原稿には「視線入力+3Dホログラムディスプレイによる効率アップ!(笑)」という幻想が入っておりました。
しかし、こういった目に見えるものを対象とした直接操作というパラダイムに依存しきったシステムには、重大な問題があります。それは、視覚に障害を持つユーザーがシステムから疎外されてしまうことです。聴覚に依存したシステムを構築すれば、聴覚に障害を持つユーザーがシステムから疎外されてしまいます。

新しいインターフェースを構築する際には、やはりその基本理念が特定のユーザー層を排除するものでないかを、よく検討しなければなりません。どうしても解決できない問題が残るような場合には、何らかの代替手段を用意する必要があります。
基本操作の選択肢が多すぎるシステムは初心者を混乱させるだけで(マニュアルも不必要に煩雑になります)、こうした選択肢の多さは決して誉められるものではありません。しかし、基本的な操作体系にバリアフリーの観点から複数の選択肢を用意することは、検討してみる必要があるのではないでしょうか。
インターフェースデザイナーや電子マニュアル制作者の皆様、特に新しいテクノロジーをすぐに試してみたくなる性格の方は、この問題をもう少し意識して、日常業務に取り組んでいただきたいものです。 (1998.08.10)



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