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情報大工のひとりごと

インターフェース設計あれこれ



設計とは、情報の表現術でなければならない____見出し罫線____

先日、MOSA(Macintosh OS Software Association)のヒューマンインターフェース専門部会に参加しました。今回の講師は、川村渇真の「知性の泉」でお馴染みの川村渇真さんです。
インターフェース設計にあたっての設計チェックポイントとでもいうべき、非常に内容の濃い発表で、とても参考になりました。当研究所の今後の研究発表にも、ぜひ反映させていきたいところです。

本当は講演内容の全貌をお伝えしたいところですが、さすがにそれは問題があります。そういうわけで、ポイントを一つだけ(こそっと)お伝えしましょう。
それは、ソフトウェアや機械を設計するということは、単なる設計ではなく情報の表現術という観点から捉えられなければならない、というものです。
つまり、ユーザーに見えるインターフェースに、設計仕様をいかにわかりやすく投影するかという点をもっと重視しなければならないということです。誤操作防止という観点だけでなく、インターフェース自体が、より進んだ操作へユーザーを誘うような設計(表現術)が求められているわけですね。

MOSAのヒューマンインターフェース専門部会は定期的に開催されており、会員外のかたでも受講できます。興味のある方はMOSAのWebサイトを定期的にチェックしてみることをお勧めいたします。 (1998.07.17)




ナビゲーションは右側に?____見出し罫線____

Webページや電子マニュアルでよく見られる、メニューボタンなどのナビゲーションツールの配置場所について、WebDesignConsortiumのメーリングリストに興味深い意見がありました。以下のような主旨です。


各種の電子ドキュメントにおいて、ナビゲーションに使うメニュー類は画面の右側に配置すべきである。ユーザーはウィンドウの右側に表示されるスクロールバーを使って文書を読みながらメニューボタンを使用する。このことを考慮に入れると、メニュー類を左側ではなく右側に配置した方がマウスポインタの移動距離が少なくなり、ユーザーの操作負担が減ることが期待できる。

単なるデザインや思い込みではなく、マウスポインタの移動距離の削減という現実的な数値目標を重視した、なるほど、と考えさせられる意見です。
しかし周囲を見渡してみると、メニューなどのナビゲーションツールは、画面の上部や左側に配置されていることが多いようです。当研究所も上に配置しています。
たしかに右側配置論にも一理あるのですが、実際にはユーザーの環境(ディスプレイの解像度)によってはナビゲーションツールが画面から消えてしまうことが問題として大きいように思えます。また、版面を横組で組んでいるときは、視線が上(左)→下(右)と流れるので、構造を示すナビゲーションツールは左側にあるべきである、という意見も説得力があります。

逆にいえば、必ず最小限のサイズでレイアウトできる場合や、ユーザーの環境を決めうちできる場合、版面を縦組で構成している場合、構造がそれほど複雑でなく、スクロールバーにアクセスしなければならない機会が多いような電子ドキュメントの場合などでは、ナビゲーションツールを画面の右側に配置するという説は十分な説得力を持つことになります。
最後の条件は、当研究所のWebサイトにもあてはまりそうな気もします. . . 。

実際のところ、どうなんでしょう?
右側にナビゲーションツールが配置されている電子ドキュメントをあまり見たことがないので、実際の扱いやすさについては「」です。このような電子ドキュメントをご存じのかたや、実際に制作して運用していらっしゃるかたは、その使い勝手についてぜひ当研究所までご連絡くださるようお願いいたします。 (1998.08.17)




音声メッセージには心の準備が必要____見出し罫線____

当研究所では旧型のMacintoshをFAXサーバーとして運用しているのですが(ノートラブルです)、予備系統として家庭用FAXも導入しました。
そのセットアップ中のことです。なんの前触れもなく、いきなり音声メッセージが流れました。「へっ?」と思ったころには、もうメッセージは終わってしまい、マニュアルにも特にメッセージ内容についての説明はありません。
「聞き逃したことが重要なことだったらどうしよう」と真剣に考え込んだのですが、現在まで無事に動いているところを見ると、さいわい重要なことではなかったようです(苦笑)。

ここで痛感したことは、「音声メッセージが流れるということを予測していないと、いきなり音声メッセージが流れても、何を言っているのかまったく聞き取れない」ということです。
つまり、音声メッセージを機器から操作情報として流すのであれば、事前にユーザーの注意を聴覚に向けさせるような何らかの仕組みを用意しておかなければならないのです。例えば、注意を向けさせるためにメッセージのまえに余裕をもって警告音を出すなどの予備動作を設定しておく、またはマニュアルで音声メッセージが出ることをあらかじめ説明しておく、といった方法が考えられるでしょう。

もしそれを聞き逃すとユーザーに不利益になるような情報であれば、音声だけではなく、絶対に紙マニュアルにも記載すべきです。音声は流れてしまいますが、紙に記された情報は絶対に流れません。
音声メッセージは単に流せばよいというものではなく、音声メッセージにつなげるための仕組みづくりが重要である、ということを実感した次第です。 (1999.01.08)



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