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情報大工のひとりごと

おかげさまで6周年

ラプラス取説研究所のWebサイトは、本日めでたく6周年を迎えることができました。これも皆様のご支持のおかげです。本当にありがとうございます。



6年間を振り返ると____見出し罫線____

古い研究発表などを読み返すと、ほんの数年前までは牧歌的な時代だったと痛感することしきりです。あまりに牧歌的だったため、今読み返すと「?」な内容のコンテンツも一部存在しています。これらのコンテンツについては、アップデートする必要性を認識している一方で、どうアップデートするべきか判断に苦慮しているのが現状です。申し訳ありませんが、アップデート完了までは牧歌的な時代のなごりをお楽しみください(苦笑)。

また、このサイトが活動をはじめた時期は、電子マニュアル(ヘルプ)が本格的に話題となりはじめた時期とほぼ一致しています。記念すべき、Acrobat日本語版の初回リリースにも立ち会うことができました。PDFもあれだけ期待させておいてまさかこんな(自粛)な状態になるとは、当時は思いもよりませんでした。逆に、HTMLベースのドキュメントの表現力や可能性の向上、そして常時接続環境という接続インフラの整備がここまで急速に進むと言うのも完全に予想外でした。

現段階では、HTMLベースのドキュメント表現力の向上と常時接続の一般化によって、今後の電子マニュアルの発展の方向は定まった感があります。IPv6やFlashMXなど、周辺技術の進展によってディテールが変化してくることはあっても、基本的なフレームは変わらずに進むのではないかと想像しています。




訴求価値の一般化という喜び____見出し罫線____

当研究所が当初から一貫して主張し続けている使いやすさの重要性は、ユーザビリティという概念の普及によって、ようやく一般に定着した感があります。使いやすさの次の目標となるべき、使うというプロセスそれ自体の価値化も、ユーザー・エクスペリエンスという概念によって一般化する気配が見られます。声を大にして主張し続けた価値が一般に定着するというのは、本当に喜ばしいものです(もちろん定着にあたって当研究所が果たした役割など、無に等しいものでしょうけれども)。もっとも、一昔前はそのような概念を鼻で笑っていたような方々がいつの間にやらこれらの概念を得意げに語っていたりするのをみると、殺意を抱く瞬間がない訳ではありません(笑)。やはり世の中をうまく渡っていくには、変わり身の早さも重要ですよねえ。

情報の構造化や枠組みのデザインという考え方も、IA(インフォメーション・アーキテクチャ)の概念が普及することで、その重要性が認知されてきているようです。ただし、ユーザビリティにしてもそうなのですが、海外でメジャーにならないと国内で重要性が認知されないというのは、あまりにも底が浅いと言わざるを得ません。全く認知されないよりは数段マシなのでしょうけれども、自分たちの頭で基本概念の重要性を理解しようとしない姿勢は、この国の将来を悲観させる材料として十分です。自戒も込めて、もっと頑張れニッポン。




コミュニケーションデザインに関していくつか____見出し罫線____

当研究所で扱っているテーマとして、今後面白そうなのはやはりコミュニケーション、そしてコミュニケーションを成立させるためのテクノロジーやツールのデザインなのではないかと考えています。CRMやナレッジマネジメントも、ある意味でコミュニケーションを媒介するためのツールと言えるでしょう。

関連して話は微妙に変わるのですが、先のMacWorldでの基調講演ストリーミング放送を聞いていて、Appleの主張する「デジタル・ハブ」は、実はデジタル機器を利用したコミュニケーション・ハブを志向しているのではないか?と漠然と感じました。理由はいろいろあるのですが、長くなるのでまた別の機会に詳しく取り上げたいと思います。

デジタル・ハブという概念に関しては、ソニーも同じような方向を目指している(というかソニーが先行している)というのが衆目の一致した見方であるようですが、どちらかと言うとソニーはパーソナルエンタテインメント(またはインフォメーション)・ハブを目指しているように思えます。どちらが概念として優れているという話ではなく、家庭におけるハブというツールが取り得る二つの可能性として、今後の動向を注意深く見守りたいと思います(現役社員によるタレコミも大歓迎です)。




ところで最近の活動領域など____見出し罫線____

さて最近の当研究所の活動内容ですが、実は単なるマニュアル制作から、各種コンサルティングまで活動領域の幅がかなり広がってきています。コンサルティングといってもマニュアルそのものだけでなく、マニュアル制作を支える環境構築や一般的な開発業務文書の分析、Webの情報構成の企画検討など多岐に渡っています。これは取扱説明書作成に関わるスキルが幅広く応用可能であることの証左であり、その意味で閉塞感だけが強調されがちなTC業界にも、多方面で自らのスキルを展開可能であるという希望を持たせるものであると考えています。

活動領域が幅広くなるにつれ、ラプラス取説研究所の「取説」が邪魔だからなんとかならない?というご指摘も何度か頂くようになりましたが、当面このままで活動続行予定です。

今後ともラプラス取説研究所(笑)をよろしくお願いいたします。



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